生産スケジューラによる国際競争力の向上
2008.04.10
当社は、品質の良いものをローコストで大量に作ることに関しては、長年のカイゼン活動の結果、満足のいく状態になっています。最近は海外工場とのコスト競争にさらされ、国際競争力向上が課題となっています。
生産スケジューラ活用によりビジネススピードを向上
生産スケジューラ活用によりビジネススピードを向上
国際競争力向上のためにはビジネススピードを上げる必要がある。ビジネススピード向上には、生産管理、生産計画に関するコンピュータの利用が不可欠で、ERP, MRPなどのほかに生産スケジューラがある。生産スケジューラは工場の中の各機械の秒単位の生産スケジュールを自動作成する(図1)。
図1-生産スケジューラAsprovaのガントチャートの例。スケジューラの計算結果は、ガントチャートでグラフィカルに表示される。上の例では、01というオーダ(オレンジ色のバー)が切断機1を7/9に開始し、焼鈍炉1、ショット1、潤滑1...を通り、最終的に検査1で7/13 18:13に完了する。これらのバーを生産スケジューラでは作業と呼んでいるが、現実問題では作業数が数千から数万になる。最近のパソコン能力では数分程度で全体のスケジュールが完成する。 |
これにより、納期回答のスピードが向上する。生産スケジューラは、スケジュール結果をグラフィカルに表示して「見える化」を実現する。さらに、生産スケジューラによる計算の結果、製造リードタイム短縮、在庫削減を実現させることも可能である。生産スケジューラにより、従来生産スケジュールを作成にかかっていた時間を大幅に短縮することもできる。
私のお客様の自動車部品メーカーでは、自動車メーカーから取引き先部品メーカー半減策がある日突然言い渡された。その対応策として生産スケジューラの導入に踏み切った。生産スケジューラの導入の結果、生産、管理の精度を上げ、納期回答などのビジネススピードの向上を実現した。
この会社は、生産スケジューラの導入により、部品メーカーとして生き残ることができ、結果として受注はより好調になった。