意職改革

リードタイム

英語でLead Time と書き、生産を指図する時間・目安と意訳する。元来納期計算に使われる用語で、納期から着手日を算出するための1要素を形成し、「先行日数・時間」「手番」とも呼ばれる。一般には、タクトタイムやピッチ等を総じて、さらには生産過程のあらゆる業務にかかる「所要時間」の意味で定着している。つまり、オーダーを受注後作業を開始・終了しオーダーを納入するまでの期間として求められる。
各工程ごとには、製造リードタイム、販売リードタイム、購買・外注リードタイム、設計リードタイム、ペーパーリードタイム、物流リードタイム等に分けられるが、ここで問題となるのが、「顧客リードタイム」のとらえ方である。顧客から注文をもらい製品の納入が完了するまでの期間の設定で、これによって"納期対応"の仕方が異なる。たとえば、家電品等の見込生産では販売予測により製品に立ち上げてから受注を待つので、物流リードタイムが顧客リードタイムとなる。一方、受注生産では注文後に製造するので、全工程の総リードタイムが顧客リードタイムである。しかし、前者は予測間違いをすると欠品・過剰在庫を起こし、後者はキャンセルや納期変更に対処できかねない。
ゆえに、JITの顧客リードタイムは次のように定義する。

●全体の能率が真の能率→顧客リードタイム=∑全工程リードタイム
●リードタイムの時間短縮・短納期化→停滞ゼロ
またリードタイムは通常、生産計画において部品表に提示され、その品種ごとに品目・製品(使用する品目の関連)・管理(全製造工程の関連)の基準で表すが、市場の急変に追随するためにはより細分化した立案が望まれる。つまり、1個単位でリードタイムを算出し、顧客の要求量に応じた納期変更を可能にする。

●予定開始日=納期-(1個当たりのリードタイム×顧客要求数+停滞ゼロ)

※リードタイム=∑正味加工時間(全工程の総稼働時間)

「必要な時」に顧客を満足させ(Customer Satisfaction)、工場の"ムダ取り"も同時に実現することができはじめて"真のリードタイム"が成り立つ。