MRPひとロメモ-3
"シングル段取"という言葉を最近よく聞きます。これは、"生産の流れ化"を実現する時に必ずぶつかるテーマなのです。「流れるようにものをつくりたい」といった要望の中での大きな障壁は、段取替えの時間が大きいことです。この時間を数分でできるようにしなければ、どうしても、「まとめてつくろう!」という気になります。段取改善に似たようなことを、歴史の中に見つけることができます。それは、織田・徳川の連合軍と武田軍とによる長篠の戦いです。このとき、連合軍を勝利に導いたものが鉄砲です。従来、玉込めなどの段取に時間のかかる鉄砲は、実践向きではなかったのです。しかし織田信長はその扱い方を一律にして、誰もが使えるようにし、かつ実戦では玉込時間を実質的にゼロにするために鉄砲隊を横3列に並べ順番に打たせました。つまり、標準化とゼロ段取を実践したのです。鉄砲が弓や刀に代わり、強力な武器として認められました。鉄砲のおかげで織田・徳川の連合軍が大勝利をおさめたことはいうまでもありません。このことでもわかるように、現場改善のちょっとした糸口は、ひょっとしたら歴史が教えてくれるかもしれません。