生産スケジューラの昨今

中国の労働事情

2009.08.09

中国の労働事情

アスプローバ株式会社

藤井賢一郎

 当社も中国法人を設立してから2年目、他人事のような考えていた現地要員のジョブホップが起こった。現地の日系企業に聞く限り、想定の範囲内でいつ起こってもよいようにすべきと指摘された。いまさらながら、身近に感じた。

 工場も同様である。生産計画者といわれるような生産管理のキーマンが、異動することも多い。 生産スケジューラは、元来、生産計画の効率化や精度向上に使用されるべきものであるが、 中国工場では、生産計画業務の標準化に利用されているケースが多い。

 元来、中国では、責任業務範囲の線引きが明確で、残業もきらわれるケースが多い。生産スケジューラを導入することで、生産計画者の残業時間は軽減されるため、計画策定者には歓迎されるが、製造現場の責任者には、自己権限をさいなむものとしてうとまれ、工員には要員リストラの道具ととられかねない。トップダウンの導入と現場の説得という両面からの作業が日本以上に慎重に求められる。